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卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

今夜、嘆いている野菜たちの声に

月は笑ったことがない

「料理ってのは不思議がいっぱいだよね」

「そうかな」

「里芋ってあるじゃん」

「皮むきにくいよねー」

「それ以前に田舎過ぎ。なんだよ里の芋って」

「いいじゃんかよ。山芋だってあるじゃんかよ」

「蓮根なんて神秘的な名前なのにさ、あんなの泥水の中でできてんじゃん」

「まあそうだけども」

「なのに里芋。掘っただけなのに里芋。生まれながらにして田舎者扱い」

「基準がよくわからないや」

「薩摩芋だって立派な字じゃん」

「まあそうだけど」

「石やーきいも、いもいも。とか言ってるくせにさ」

「匙加減だろうそんなもの」

「里芋。ほら。ゲームセットー」

「主観だ。それは」

「大根も不遇だよ。大きな根ってさ、ほぼゴミじゃんか」

「根ではないな」

「なら人参は赤根だ」

「そうかもだけど」

「ていうか人が参って人参って、どんだけ力持ってんだよ」

「いちいち漢字だけにこだわるなよ」

創価か?」

「そういう方向やめろよ」

「根回し抜群か?」

「やめろって」

「で、キャベツだよ」

「なんだよ」

「帰国子女かよって」

「そうでもないんだよ」

「どこからキャベツとか名づけるんだって話だよ」

「レタスだって一緒じゃんかよ」

「あんな栄養素ない野菜はどうでもいいんだよ!」

「失礼だよ! しかし誰に失礼なのかよくわからないよ!」

「南瓜なんかさ、もう字面みるとほぼ虫じゃんか」

「いや、そうでもない」

「ボーダー着てサファリパーク行く感じ?」

「いやね。シマウマがライオンに、みたいにならない」

「それはそうとさ、この頃はおばあちゃん世代も演歌じゃないんだよ」

「何の話だよ」

「六十代だともう演歌なんて聞かないんだよ。だからユーミンのファンクラブ入っていたりする」

「まあそれはあるかも」

「おばあちゃんって呼べる世代がさ、ミスターチルドレン聞いていたりするわけさ」

「いいじゃない」

「チルドレンをグランドマザーが聞いていることをマザーがサンに報告だぜ?」

「何の話だって」

「何世代だよ!」

「知らねえよ」

「なんかさ、一世代増やさないと間に合わなくね?」

「シルバーだけじゃ足りないと?」

「その上のさ、なんだろう、朽ちてきたユーズドシルバー的な」

「悪口な。そういうの悪口って言う」

「先進国では?」

「どこでもだ」

「じゃあブックオフ的なシルバーみたいな」

「うん。ひどくなった」

「煙草がさ、すごいじゃない」

「年配者はね」

「まだまだ3人い1人は吸っているって言うしさ。麻酔なんてもっとでしょう?」

「医療はいいんだよ。紛らわしくなる」

「なんだっけ? ダブル煙草だっけ?」

「不倫だ」

歩き煙草か。よくないなー」

「誤変換が突っ走ってるね」

東京オリンピックで喫煙をどうするか悩んでいるんでしょう?」

「まあそうだよね。これまでの開催では厳格に規制したらしいし」

「石原は吸ってたと思うよ」

「おかしな言い方はするな」

「小池は、あーん。吸ってないかも」

「だから誤解を招くような表現はするな」

「結局築地も汚染されてたんでしょう?」

「まあそうなんだけど」

「そんなもんよ。都心に汚染されていない土壌なんてないのよ」

蓮舫泥だらけかよー」

「蓮根だよー。なんか気持ち悪さだけ残るよー」