卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

夏休み

「黄金週間は良かったよねえ。もうエバラだよね」

「まあ休みってのはいいよね」

「でしょう。エバラでしょう」

「そこはもう無視ね。で、どこか行ったの?」

「実家に帰ろうかと思ったんだけどさ、分からなくなっちゃって」

「はい? 分からないんだ。実家?」

「そうなんだよ。三重県兵庫県の県境だったんだけど」

「接してなくない?」

「えーそうだっけ? もしかして日本地図が改定された?」

「されてないし今後もないと思う」

「鹿児島って島じゃないじゃんね」

「そうだけどさ、まあいいじゃない。徳島もだけどさ」

都道府県に対する俺のイメージを話すよ」

「いきなりなんだよ。まあ聞いてやるよ」

「北海道はゆめぴりかだな。それしかない」

「お米ね。海産物とかジャガイモとか色々ありそうだけどね」

「青森は生まれてすみませんだな」

「それひとりだけの問題じゃん」

香川県は悩むな」

「えーうどんでしょう」

「うどんかあ。蕎麦の方が好きなんだよな」

「おまえさんの嗜好はこの際置いておいてさ」

ドルトムント?」

「違うなあ。香川つながりだけだなあ」

岐阜県はあれだな。もう場所が分からない県だな」

「失礼だよ。真ん中辺にあるよ」

「石川県は日本のチリだな」

「ちょっと細長いだけじゃん」

「なんで富山県に富士山ないんだろうね」

「まあそうだね」

「ほとんど詐欺じゃん」

「別に富士山あると思って富山に行く人いないよ」

「山梨もさ、梨でなくて葡萄でしょう」

「県名に特産物入れる必要ないじゃない」

「あ、そっか。山葡萄になっちゃう。普通に食べ物になっちゃう」

「でしょう。そういうことなんだよ」

「関係ないけどさ。新潟には胎内っていう町もあるよ」

「関係ないのかあるのかは分からないけどね」

「今胎内にいるなう、なんてさ、じゃあなんでつぶやけるのよって話だよね」

「誰も気にもしないけどね」

「宮城には天童なんて町もあってさ」

「色々あるだろうよ町名なんて」

「この町の人絶対肥満だよね」

「よしみのほうじゃんかよ。失礼だよ」

「山ってのも不思議でさ」

「どうせ竜王山の頂上にはラスボス的なのがいるとかそういう話でしょう?」

「いないよ。いるわけないじゃん」

「どうして急に食いつきが悪いんだよ」

「そんなんじゃないよ。釈迦岳というのがあってさ」

「はいはい。九州ね」

「すぐ下に酒呑童子山だよ? 神々の争いみたいじゃん。さらに国見山」

「最後のはよく分からない」

「いやいや一番強いでしょう」

「サッカーならね」

「というかさ、この記事って明らかにゴールデンウィークにあげるの忘れているよね」

「だよね。そこが一番の問題だよね」