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卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

100万円もしくは6億円、いずれにしても物語だ。

日常
100万円あったらどうするか。
 
あるある。なんだろうか、人間の○○だったら欲望はいつの時代も興隆を極めてきた。
 
宝くじ当たったらどうするか。
 
「そりゃあ旦那なんて別れて、伊豆に別荘買って六本木のマンションも買って、世界一周旅行するわ!」
 
すでに100万じゃ足りないって話。
 
でもまあ最近は6億円なんて配当もあるわけで、すべてが夢物語でもないのだが、6億当たったら? という話になると、案外
 
「住宅ローンの返済があと4000万。子どもの学資が400万だったかな? それから積み立て年金を……」
 
どんだけスケール小さいのかと。歩や香車を大事にしすぎる棋士みたいな発言をする人もいる。
 
伊豆に別荘くらい買えって話。もしくはケチるなら笛吹市とかもいいぞなんて、ちょっと失礼な話。
 
話は逸れるが、わたしは山梨県笛吹市小淵沢に行くのが大好きで、自他ともに認める山梨ラバーズなのだ。
 
山梨のすばらしさはひと言でいいにくいが、ひと言でいえば長閑さなのだ。
 
ほうとうという郷土料理があるのだが、これが絶品で、まあうどんなのだが、そこにカボチャや肉や、野菜をもろもろ入れて平べったい面のうどんで煮込む。
 
く~!
 
夏はただ熱いだけ。やめとけって話。
 
それから吉田うどんてのもあります。
 
香川? いやいや、吉田でしょう? ってくらい山梨ではポピュラーな超腰のある、なんだろう、腰にコルセット巻いた的なうどんがある。
あと山梨にはフルーツがある。とても豊富にある。
わたしの好きな笛吹市は、フルーツパークホテルというホテルがあり、四年連続で、肉魚卵乳製品を使わないメニューを提供してもらった。なんかもう来ないで! という雰囲気はなく、とても温かくベジタリアンなメニューを用意していただいた。
 
いきなりそれをやめたら、それはそれで「この四年はなんだったんだ」と怒られる気もします。
 
もし牡蠣あたったらどうする?
 
そんな質問もある。
 
は? という感想が来るのだが、社会人としてきちんと答えなければならない。
 
ショックだけど、でも牡蠣なら再度食べるかな。
 
じゃあムール貝は?
 
あームール貝だったらそこまで賭けたくないから、もう食べないかも。
 
じゃあイクラは?
 
もうね、うるせえよと、どうでもいいよと、そのとき考えるよと、そういうことであります。
 
なんだろう、人間は仮定が好きなんだ。
 
6億とまでいかなくても、3億だったらどうする? ってこの間聞かれたのだ。
 
とまではいかなくても、がそもそも余計だし、話が面倒になるだけだって思った。
  
でもって肝心の3億も妄想なわけで、ならば「牛でも買ってハラミとかサーロインとか、もう一頭買いでミスジもシャトーブリアンも頂くよ」と答えたらそれはそれは気味悪い目で見られた。
 
何の話なのだと。道徳の時間なのかと、趣旨をはっきりさせろと、わたしは帰り道川辺で泣いたのだ。
 
もしも、の話は常にわたしを苦しめてきた。
 
もしあなたと兄妹だったらどうする?
 
しるかよ。兄妹じゃないんだから無茶苦茶な前提を振ってくるな。
 
もしも江戸時代にタイムスリップしたらどうする?
 
年貢でも収めてろ。この馬鹿が。
 
もしスマップだったらどうしてた。
 
実にスマップじゃなかったから。
 
じゃあもしもトキオだったら。
 
ダッシュ村で頑張ってたんじゃないの!!?
 
スーパーシェフだったら、ほら、川越さんみたいに。
 
すでにこの世から消されてるじゃんかよ!
 
イタリア代表に選ばれてたら?
 
選ばれようがないよね。
 
ウインブルドンに出れたなら。
 
延期で切れそうになるくらいの発言しかできねえよ。
 

もうね、仮定は辞めようと、わたしは辟易しているのだ。
 
ああだった上祐みたいな、オウムかよってね。
 
面倒くさくて、最近は100万円が当たるイメージがわかないのだ。
 
ああ、だからわたしは大金を手にする機会がないのか。 

 

今週のお題「もしも100万円が手に入ったら」