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卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

物理学、選挙、そしてわたしが食べたのは親子丼

「宇宙物理学って、なんの役に立つわけよ」
 
「そりゃああんた。地球の成り立ちや宇宙の全貌まで明らかにさ」
 
「そんなことよりも疲れが取れる究極のバスロマンのほうがよくない?」
 
「まあそれも大事だけど」
 
タニタなんて目じゃない健康メニューとかさ」
 
「それもそうだ、大事だ」
 
「地球の成り立ちを百年以上もかけて知りたいか?」
 
「知りたいと思うぞ。普通は」
 
「だっておまえさんがなぜこの世に生を受けたかなんてさ、カナブンが網戸に衝突して跳ね返って地面に落ちるくらい、些細じゃん」
 
「うん。いきなり俺の人生秤にかけるのやめよう。しかもカナブンかよ」
 
「アメンボ? 誰も捕獲しない孤独な生き物」
 
「たしかに捕らないな。飼っている人みたことないわ」
 
ダークマターだっけ? なんだよって話じゃん」
 
「いやいやいや、すごいと思わないのかよ。目に見えないのに質量がある、で、この世界の大半はダークマターで占められているってさ」
 
「そんなのバファリンの理屈じゃん。半分やましさだろ?」
 
「優しさだ。そこは」
 
「目に見えない」
 
「うん、まあ見えないつながりだとそういうことになる」
 
「サハリンだったらまだ目に見える」
 
樺太か」
 
「半分は政治目的だけど」
 
「成分的な話はもういいから」
 
「目には見えないけどきっと国境線がある」
 
「急に暗黒物質みたいにするなって」
 
相対性理論だっけ? ほら地上と高層ビルでは時間の進み方が違うとかさ」
 
「まあそれはあれだ、一般人にもわかりやすいように、例えば双子のパラドックスみたいなさ」
 
「知ってるわそれ。双子なはずなのに徐々に成長すると父親に似ていない子どもがいてって」
 
「完全なパラドックスだ。それは開封しちゃいけない大人の事情だ」
 
「光よりも早く進むものはないんだろう?」
 
「そうだね。それが可能ならタイムマシンもできるはずなんだけど」
 
ごはんですよ、でもダメか?」
 
「ごはんは進むな。進むけど光の速度とは比較にならないんだよ」
 
「そこ比較するところかよ!」
 
「おまえが持ち出したんじゃんかよ」
 
「漁師汗だくってのはなんなんだよ」
 
量子力学のことだと思うんだけど、あんたさ、ずいぶん俺をあてにしてるよね」
 
「まあね。ほら、宇宙とかずぶの素人だから」
 
「簡単にいうとマクロ的な視点が相対性理論。ミクロが量子力学
 
「わかりやすいねえ。つまりルーツはどちらもレゲエね」
 
「アフロな」
 
「写真の?」
 
「どっちでもいいわ。なんでもいいわ」
 
「自棄起こすなよ。この二つの理論が融合できればいいんだろう? 例えば超弦理論みたいな」
 
「アフロとか言ってたやつがなぜいきなりその理論持ち出すんだよ」
 
「物質の最小構成単位が弦? 受ける! ビーズの松本かよ」
 
「意味わからない。わからないけどなんか腹立つ」
 
「ちなみにさ、この頃大騒ぎの重力派って何の役に立つわけよ」
 
「そりゃあほら、ブラックホール中性子星の観測だとか」
 
「それはあれか、AKB総選挙よりも重要なのか」
 
「間違いない」
 
参院選よりも?」
 
「選挙つながりで明らかに格が違うものを出すな」
 
「しかし次のセンターは蓮舫じゃなくなったよね」
 
「センターって言うな」
 
「池上さんもないし、東たけし城?」
 
「懐かしいな、川崎のほうにTBSあったときのだ」
 
ニュートリノだっけ? とにかくいろいろなことが発見されると楽しいよな」
 
「やっとわかってくれたか」
 
「昨今は不倫ブームでそれはそれは」
 
「うん。そういうことを暗黒物質と認定しろよ」