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卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

食品添加物

ヴィーガン

 食品添加物には賛否両論ある。
 賛成派の意見はこうだ。
 そもそも食品添加物というといかにも化学的な、不気味な添加物という印象を与えるが、これらがなければ食中毒が蔓延してしまう。食べ物は保存がきかないからすぐに腐り、健康被害は増大する。
 食品を美化し、魅力を増すという点も強調される。
 安価に加工できるために必要なものでもある。
 反対派は言いたい放題で、これはもう枚挙にいとまはない。
 発がん性に始まり、遺伝子異常、人工甘味料も昨今は逆に肥満になるという研究結果も出ている。カロリーゼロのはずが、太ってしまうという奇妙な構図ができたわけだ。
 そんな中でトクホという言葉が知れ渡り、逆にカロリーゼロのコーラは太るという論文が発表され、いよいよ混沌としてきている食品業界なのかもしれない。
 人が摂取しても安全とされる値を、さらに100分の1にして、それを摂取しても良い量と規定している。
 一行で述べれば、現在の食品添加物の摂取基準はそういうことになる。
 安全係数というが、安全をさらに保障するために100分の1を規定量とするというのだから、相当に安全な気もする。
 わたしはというと、息子が3歳になるまでは一切の食品添加物を含む食品を与えなかった。
 これは例えば、上記のような安全が確保されているのかという政府への不信感があった。ちょうど東北での大震災があり、放射性物質拡散の隠蔽や、風評被害という名の転嫁が横行していた。
 とにかく息子が3歳になるまでは、添加物フリー、放射性物質フリーという目標を掲げ、被災地には申し訳ないのだが、関東以北、北海道を除く地域の食物は摂取せず、もちろん化学調味料等、食品添加物も与えなかった。
 食費はかさんだが、スーパーマーケットごとの特色は把握できた。
 どのスーパーマーケットは九州地方の食材に力を入れていて、どこは北海道産にこだわり、どこは東北ばかり仕入れているのか、これが案外、同じ値段でも産地はまちまちなのだった。
 食品添加物を避けるなら、当然外食はNGで、お惣菜も完璧に駄目だ。ガムだとか飲料水だとか、そういったものも気をつけなければいけないし、かんすいなども避けるなら麺類は自分で打つしかない。わたしはそうしてみた。
 そうしてみた結果思うのだが、食品添加物はそこまで悪だろうかと、やはり思ってしまった。
 ちょうどわたしの年代は、生活が便利になった世代だ。
 家電が普及し、親はこぞってレトルト食品をわたしたちに与え、着色料たっぷりの食べ物ばかり摂取し、カップ麺などのインスタントも与えられた。
 その割に、元気に生きている。
 過剰に反発するのは違うのかもしれない。
 ただ後悔したくないから、息子には与えなかった。その判断は、今でも正しいのかどうかわかってはいない。
 もしかしたら夏場に無添加食材で作った料理で食中毒を起こし、重篤な症状で後遺症が残る結果になったかも知れない。
 もしくは甲状腺に癌が発生したかもしれない。
 結果論でしかないのだが、わたしはとにかく息子を守るために、国を信じなかった時期があったと、それだけの話なのだ。

お題「これって私だけ?」