卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

教師の問題

「まさかおまえが教師になるなんてなあ」
 
「だろう? 俺だっておまえがフランス人になるなんて」
 
「なっていないし。これまでもこれからも日本人だし」
 
「そうなんだ。ごめん、勘違いしてた」
 
「そろそろ試験問題つくるんだろう?」
 
「そうそう、問題がなかなかできなくてさ、聞いてよ」
 
「もちろんいいよ」
 
「千鳥足の太郎君は駅まで歩きました」
 
「千鳥足なんだ?」
 
「急に雨が降り出したので、家にau by KDDIで電話をかけました」
 
「そこちょっとマーケティングの臭いがする」
 
「お母さんの車に乗って駅に着いたのが十二時二十分」
 
「あるね、そういう問題」
 
「作者の言いたかったことはなんでしょうか」
 
「算数じゃないんだ」
 
「うん。俗に言う引っ掛け問題だよね」
 
「引っ掛けすぎてわけが分からないけどね」
 
「幸次郎君は初恋に悩んでいました」
 
「お、いきなり攻めてくるねえ」
 
「そこで相談することにしました。誰に相談したのでしょうか」
 
「ほう、誰に?」
 
「牛乳に」
 
「そっか。テレビ見ている人優先な問題なんだ」
 
「舛添君は」
 
「あのさ、苗字がレアだし、レアなのにあれだよね」
 
「ミディアム?」
 
「じゃなくてさ、旬だよねって」
 
「小栗のほうかよ~」
 
「旬でもないけどさ」
 
「公用車は走る知事室。その三菱車の燃費を税金で割った場合に生まれるはずの仔馬が」
 
「おい!」
 
「なにさ」
 
「おい、としか言えない」
 
「ならあれだ、妻と子が会議に出席したとした場合の人数を答えなさい的な?」
 
「問題は問題なんだけどさ、それって社会的な問題なんだよ」
 
「炭鉱夫の二底辺三角形の」
 
「やめろと、やめろとしか言えない」
 
「正解は蟹工船
 
「なんとなく正解の理由がわかる自分が怖いわ」
 
「太宰君は生まれたことを後悔していました」
 
「だからさ、設定がまずおかしいよね」
 
「太宰君が海に入って行き、肩まですっぽりと入水した場合の距離を求めなさい」
 
「それまずいよ」
 
「あ、ごめん。じゃあ身長は170センチとするって付け加える」
 
「そういうことでなくてさ、雰囲気がとってもまずいと思う」
 
「こういうのは? 三島君は外国風の作風を好んでいましたが」
 
「これって歴史かなにかの問題?」
 
「クーデターを訴えかけた後の行為での熱量を求めよ」
 
「絶対に教育委員会から干されるから。なに考えてんのさ」
 
「だめかー。じゃあ夏目君はお金持ちでした」
 
「ちょいちょい知っている名前が出てくるんだよね」
 
「猫なのは我輩ですか? それとも夏目君ですか?」
 
「しらないよそんなこと」
 
「紳助くんは法律相談に並ぶ立場ですか? 並ばれる立場ですか?」
 
「なんで風刺みたいな問題つくってんのさ」
 
「イタリアで買ったなにか。フランスで観たなにか。さていくらでしょう」
 
「プライスレスだろ? どんな問題だよ」
 
「お金で買えない入学もある?」
 
「やめなよ。おまえ教師に向いてないよ」