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卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

朝と夜の狭間に、わたしは走っているのだ。

ヴィーガン 日常

 ジョギングが好きだ。
 たいして早くもないし、距離もそれほど走らない。素人の、遊び程度のジョギングなのだが、毎朝できる限り走るようにしている。
 走る人を不思議だと思っていた。
 苦しい思いをして、なぜ走るのか。
 大会ともなればお金を払って、フルマラソンを疲労困憊して走るのだ。
 走らなかったころのわたしからすれば、狂気の沙汰だ。
 
 走ると、ダイレクトに四季の移り変わり、そんな大枠ではない日々の世界の変化に気がつくことができる。
 鳥が花を食んでいる光景から春は始まって、いよいよ緑が押し迫ってくる、草の匂いが立ち込める夏が来て、葉が色づき始めると秋が近づいているのがわかる。
 空気が涼しくなってきて、やがて冷気になると冬がやってきて、冬には独特の匂いがある。水を凝縮したような、湿気を直接吸っているような、そんな感覚と、見慣れた景色が荒涼としていく。
 重たい雲の隙間から徐々に陽光がまぶしくなってきて、また春が来る。
 季節を感じる以上に、走っていると様々なことを考える。
 無心なんてときはなくて、様々なことを考える。
 昨日息子を叱って、その叱りかたは適切だったのか、そもそも叱るべき内容だったのか、夕食は塩分が多かったのではないか、仕事で作成した資料は、どこかに穴があったのではないか。見落としたデータがあったのではないか、わたしは40歳に相応しい生き方をしているのか、ニュースで見た死傷事故はわたしにも起こりえないか。
 それはもう目まぐるしく、普段ならば考えないようなことにすら、考えが及ぶ。
 酸素が薄くなって、ある意味で幻覚を見ているのではないかとさえ思う。

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 ジョギングシューズはきちんとクッションがあったほうがいいというのが定説なのだが、この頃風向きが変わっている。

 踵は衝撃を吸収されてしまうと、なおさら地面を蹴ろうとする、うまく表現できないが、クッションが吸収した衝撃を踵はより大きな衝撃を求めてしまうというのだ。

 つまり、極論を言えば、人の足は裸足でも走れるように設計されていて、そこに余計なクッションがあると、これはおかしいという判断で、脚はもっと大きな衝撃を求めてしまうというのだ。

 スコット・ジュレクという世界的に有名なランナーがいる。

 彼はウルトラマラソンで一時代を築いた選手であり、伝説的なランナーで、わたしが敬愛するのは、彼が完全菜食主義者であるということだ。

 100キロを超えるトレイルマラソンで幾多も優勝しているのに、彼は動物性食品を摂取しない。

 彼がいたから、わたしはきっと人間は植物性のものだけで生きていけるのだと思ったのだ。200キロのレースなんてのもざらにあるのに、それを驚異的なタイムで駆け抜けるのに、その人は肉も魚も、卵も乳製品も摂取しないのだ。

 牛乳が骨を作る? この世界で異種の乳を摂取しているのは唯一人間だけであり、牛乳は消化できないどころか、人間のカルシウムを失わせるという研究もある。

 肉で力が出る? 肉はきちんと消化できずに腸で腐る。だから便は臭いのだ。という話もある。

 魚はタンパク質にカルシウム、コラーゲンとすべてにおいて万能。食物連鎖により蓄積された毒素、放射性物質、いろいろとリスクはありそうなのだが、と疑問は多く湧く。

 スコット・ジュレクさんが言った言葉で、ヴィーガンをやると必ず得られるであろうことが、わたしにも断言できる。

 とにかく「疲れない」。

 彼が菜食に走ったのは、バーガーばかり食べていたのに、あるレースの前の晩に出された、野菜だけのメニューが原因だったという。

 無味乾燥な夕食だったのに、なぜか次の日のレースで疲れなかったのだという。その原因を考えた末、野菜ばかりの夕食にあったのではないかと思ったのだ。

 そこで菜食に移行してみたところ、力が劣っていくどころか、疲れない体になり、どこまでも走って行けるようになった。

 これは真実だ。

 わたしは身をもって実感した。

 疲れない。朝は目覚ましなしで、短時間睡眠で快適に起きられる。

 この二点は絶対に保証できる。だからこそ菜食は続けられたのだ。

 美味しいものを食べる。これも重要だ。しかしそれ以上の恩恵を受けられれば、きっと美味しいものを我慢しても、その恩恵を受け入れるはずだ。

 そう、とにかく疲れない。

 アレルギーはすべて治る(これはすべての人にとは言えないが)。

 

 話は逸れたが、走ることにのめりこんで、クッションは本来いらないという説に従って、わたしのようなアマチュアランナーでも怪我せずに走れるシューズがある。

 その一例なのだが、アディダスの匠sen・NIKEのルナスパイダー、どちらもレーシングモデルで、本来は1キロ3分台の人が履くべきシューズかもしれない。 

 わたしはキロ5分20秒程度の遅いランナーだが、快適に走れる。

 とにかく軽いのだ。

 最初はアディダスのboston3などを愛用していたが、やはり重い。重さに疲れてしまう。

 クッションはなくても怪我はしない。これはわたしなりの実体験で言える事実だ。

 なぜ初心者はクッション重視で、と風潮されているのか疑問だ。できる限り素足に近い感覚で走るのがいいのではないかと、個人的には思うのだ。

 

 

今週のお題「わたしの一足」