卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

料理という宇宙

お題「得意料理」

 

料理が大好きだ。

食材を選び、もしくは余り物からメニューを組み立てて、忠実に、手順を踏んで調理をする。

そもそもキッチンという場所はせいぜい一坪、空間的にも閉鎖された、集中できる場所だ。

火を操り、電子レンジやトースターといった現代家電を制御する。

沸騰から何分、炒めて片栗粉でとじる、その分量、そして唐揚げに最適な酒とみりん、しょうゆの分量に、はたまた麻婆豆腐における豆板醤と豆鼓醤の配合バランス。

要するに、料理は科学なのかもしれない。

男性向きな、反復練習によって確実に成果の出る、「作業」なのかもしれない。独創性ではなく、家庭料理における重要な点は「効率」だ。

見た目よりも手際。

ただし男性料理にありがちな材料が高額で美味しいものを作るというのはいけない。あくまで安い食材で、旬の食材を大切にして、効果的な調理で昇華させる。

 

わたしはパスタが得意だ。

難しいのはペペロンチーノで、正解がわかっているから難しい。

美味しくしたいなら大蒜をたっぷり、そしてオリーブオイルを入れれば入れるほど美味しくなる。けれど家庭料理でオイルたっぷりはいただけない。だから難しい。

カルボナーラも同じだ。

美味しくするのは簡単で、生クリームを使って卵もふんだんに使えば必ず美味しくなる。けれど家庭料理では失格だ。

生クリームは豆乳に変えて、できれば自家製のパンチェッタを使って食品添加物を控えたい。

まあいずれにしても、ヴィーガン生活を引きづっているわたしは、基本的に麦が原料であるパスタは食べない。

食べないけれど、家族のためによく作る。

人気なのはたらこパスタだ。

皮肉なもので、楽に作れるたらこパスタに、家族は歓喜するのだ。