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卵を焼くために、わたしは生きているのだ

今より先に、失望も絶望もない。

卒園式

 今日、別れた。

 すべてのお友達と、お父さんお母さんたちと、別れた。

 一期一会という言葉は美しいが、とても淋しいことなのだと、再認識した。

 子どもたちは終始笑顔だった。

 小学校への進学に、期待だけがあるのだと実感した。

 とても羨ましく、過去に固執する大人というものに失笑してしまった。

 そうなのだ。

 あなたたちの未来はそんな狭いものではないのだ。 

 別れは新たな出会いのチケット。そんなこと、頭ではわかっていた。

 わたしが悲しかったのは、離れていく子どもたち。離れていく日常、襲いかかってくる未知なものごと。

 弱いなと、なぜ大人なのに弱いのかと、そこでも泣いた。

 わたしはこの子を守る立場なのに、この子は満面の笑み。

 行き場を失いつつあるのはわたしなのか、小さな世界からサヨナラするのはわたしなのか、少し考えた。

 考えて、笑いあう子どもたちの輪に、わたしは飛び込んだのだ。